アルヤ・カスティネンが
1980年代にラウノ・ニエミネンが作ったカンテレに
ガット弦=羊の腸を撚り作った弦を張り
ご自身の即興演奏と共に その音色について考察している動画です。
元々スチール弦が張られていた10弦カンテレ。
数年前にはブロンズ弦も張り、響きについて研究をしたこともあったので
2018年代の動画をさがしていただけたら視聴できるとのこと。
ガット弦に関しては、以前5弦カンテレにも張ってみたところ
おそらく太すぎて、残響が少なくいまいち・・・だったそうです。
10弦カンテレは最も長い弦と最も短い弦の長さの差が大きいので
アルヤさんはイタリアのメーカーから、
直径0.38mm~0.50mmまで、7種類の太さの違うガット弦を取り寄せたそうです。
弦の種類が違うだけで、
楽器の本質まで変わってしまうことはとても興味深いとアルヤさんは言います。
昔のカレリア地方で、たとえば農夫たちが弾いていた、
丸太をくりぬいて作るタイプのカンテレには
おそらくは今よりももっと太い弦が張られていたのではないか、
とアルヤさんは考察します。
そして、当然のことながら、カンテレの胴体の構造も音色に影響したはずと。
高音弦を強い力ではじくと、自分としてはあまり好ましくない音になるけれど
やさしくつまびくと、確かにとても弱いけれど美しい揺らぎの音色が響くそうです。
皆さんもお手持ちのカンテレの弦を
別の材質のものに張り替えて、音色の違いを楽しまれてはいかがでしょうか。