フィンランドにルーツを持つアメリカ国籍のWilho Saariは
2022年1月に89歳に亡くなりました。
彼の曾祖母にあたる人は、クレタ・ハーパサロだそうで、
1915年に彼が家族と共にアメリカに移住するとき、
家族はカンテレを一緒に持って行ったのだそう。
彼のアメリカにおけるカンテレ文化の継承と普及活動はとても高い評価を得て
2005年、ワシントン州知事のクリスティン・グレゴワールは、カンテレの普及と指導の功績を称え、
彼に州知事遺産賞を授与しました。
また、2006年、National Endowment for the Arts・国立芸術基金NEAより、
民俗・伝統芸術における同国最高の栄誉であるナショナル・ヘリテージ・フェローシップを授与されました。
彼の楽曲「Evergreen Kantele」を演奏する、
ワシントンのカンテレグループ Evergreen Livikat Kantele Players
サビのところに、フィンランド国家によく似た旋律が出てきます。
彼はとても多くの楽曲を作り、
アルヤ・カスティネン編集による楽譜集、
『Tune-a-day』を出版しました。
Tune-a-Day — Temps Oy (holvi.com)
この楽譜集には、
5弦から中型、大型のコティやコンサートカンテレの楽曲など
なんと365曲が掲載されています。
まさに、日々の音色、一日1曲ずつ弾くとちょうど1年。
毎日のカンテレ曲、なんて素敵でしょう。
ウイルホ・サーリについては
日本カンテレ友の会の前々代のブログでも何度か書いたのですが
プロバイダーがブログ事業から撤退したため
他の約700の記事と共にどこかへ消えました。
改めてこの新しいブログの方で
演奏動画もご紹介しますね。
彼を追悼するイベントやコンサートなどもアメリカで幾つも開催されたそうです。
その中でも、リモートで開催されたこの大きなコンサートでは
アメリカでカンテレを弾く多くの方々の演奏なども聴くことができます。
カンテレの演奏は8:23あたりから。
日本にもカンテレ愛好者の方は多くいらっしゃいますが
日本にカンテレが伝わるはるか昔から、
フィンランドからの移住者たちによってアメリカに根付いたカンテレ文化がありました。
実に多くの方々、フィンランドにルーツを持つ方もそうでない方も、
ウイルホ・サーリの情熱と地道な活動によって
その灯は明るく燃え続けているようです。