19世紀に採譜されたイロマンツィ地方の5つの古謡を
アルヤ・カスティネンが変奏曲形式で演奏しています。
楽譜をご覧になるとおわかりのように
原曲はとってもシンプルですよね。
アルヤさんは、装飾音を加えたり、リズムを変えたり、
和音を加えたりとバリエーションを展開して弾いています。
3年前に、イロマンツィでアルヤさんのカンテレキャンプに参加した時
「どの指がどの弦を弾くか、役割をきっちり決めてあげたら
カンテレを見なくても、どの弦を弾いているかわかります。
指使いは大事。」とおっしゃっていました。
1弦 右手親指
2弦 左手人差し指
3弦 左手中指
4弦 左手薬指(または、右手人差し指)
5弦 右手人差し指(または、右手中指)
この組み合わせで、10弦も15弦も弾くことができます。
5弦カンテレのこの基本の指を、
その曲の「ドレミファソ または レミファ#ソラ、レミファソラ、ソラシドレ・・等」に該当する場所において
5弦と同じように弾いてみてください。
5つの音より高い弦は左手の親指
低い弦は右手の中指、薬指で弾く、
アルヤさんのこちらの動画でその動きをご覧になれます。
こうすることで
どの指がどの音を出すのか役割分担がきっちりするので
10弦でも15弦でも、カンテレを見ずとも狙った音を出せます。
5弦や中型カンテレでは
ラントネンスタイルや、
テッポレポスタイル、
コードとプラッキングを合わせた奏法、
マルッティ・ポケラの楽曲を弾く時の独特の指使いなど
何人かの著名な演奏家たちが奏法を生み出してきました。
フィンランドでカンテレを教える指導者たちは
それらの伝統的な奏法を大切にしています。
日本のお箏がそうであるように、
まず古の音楽家たちが生み出して、
後世の人々が守り続けてきた演奏方法のよさ、優れた点というのは
カンテレにもあるのです。
日本国内では、フィンランドの演奏者からの指導を直接受けることは困難ですが
動画に演奏方法の説明をあげている方もいますので
ご覧になるのもよいかもしれません。