フリージャーナリスト兼音楽家のアマンダ・カウランネ(Amanda Kauranne)によるラジオ番組「Sydänjuurilla(心の根々で)」は、フィンランド公共放送YLEラジオで流れる唯一の民俗音楽番組。9年間続くこの番組では、フィンランドに根をおろす、あるいは周囲に根をはる民族ーフィンランド、カレリア、イングリア、フィン・ウゴル語諸派、北欧、バルトの民族の伝統音楽を幅広く紹介しています。
この番組が来年1月2日をもって契約終了となる旨を、ヘルシンギン・サノマット紙が報じたことを受け、Promotion Centre for Finnish Folk Music and Folk Dance (KEK)は声明を発表するとともに、書簡をYLEに送りました。各業界団体も意を唱える旨の声をあげています。
夏に訪れたフィンランドで参加したカレリア語講座でも、この番組でカレリアの音楽が紹介されたことを取り上げ、クラスの皆で耳を傾けました。同フェスティバルに講師として参加していたアマンダとも直接話をし、彼女自身も南カレリア語方言を現在勉強中であること、各民族が自分のルーツの言語で音楽を楽しむ権利があることを熱心に語ってくれたことを思い出します。
番組の継続か、あるいは少なくとも後を継ぐ番組を、どうか。
心から願います。