ジャスラックは 多くの方がご存じの通り、
日本最大の著作権管理事業者で、
作詞者、作曲者、訳詞者、編曲者や音楽出版社などのその著作権を管理して
著作権使用料を彼らに分配するのが事業内容です。
コンサートを企画・開催して
ジャスラックに登録されている楽曲を演奏する場合
所定の手続きをして、楽曲使用申請をし、許可をもらい、
コンサート終了後に観客の人数や収益などをジャスラックに届け出て
適正な楽曲使用料金を納める、
という流れになります。
しかし、日本の場合は
・無料の演奏会である。
・演奏者には報酬は支払われない。
・営利を目的としていない
場合、ジャスラックに申請する必要はなく、自由使用が認められています。
(一部例外あり。詳細はお手続きが不要となる場合 (jasrac.or.jp)
フィンランドのジャスラックにあたるのが TEOSTO という著作権管理事業団体です。
Front Page – (teosto.fi)
フィンランドは日本よりも法の規制が厳しく
・無料の演奏会であっても、
・演奏者に報酬が支払われなくても
・外国の楽曲であってもTEOSTOに登録されているなら
楽曲使用申請をして許可をもらい、
観客数を報告して適正な楽曲使用料を納めることと定められています。
ジャスラックと提携をしているため
ジャスラックに登録されている日本人アーティストの楽曲ならば
フィンランドで演奏するとなると
必ずTEOSTOに申請をしなければなりません。
TEOSTOから、日本の著作権管理団体を経由して、
アーティストに楽曲使用料が分配されます。
つまり、
フィンランドで、無料の演奏会を開催すると
開催主、もしくは演奏者は
TEOSTOに楽曲使用料金を払うことになるため
赤字覚悟でやる、ということになるわけです。
おちおちボランティア演奏会なんて
やってられない、というフィンランド情勢です。
高齢者施設に慰問演奏に行きたい、
となっても 演奏する曲によっては
自分で手続きして楽曲使用料を払い込む、
もしくは施設と相談して施設側に支払ってもらう、など
ハードルがなかなか高い。
自分のオリジナル曲を演奏するなら
そしてそれがジャスラックにもTEOSTOにも登録されてないのなら
面倒な手続きは必要ありませんが・・・。
フィンランドで演奏したい、とお考えの皆様、
どうぞ著作権、楽曲使用申請をお忘れなく。