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対象:5弦カンテレ~
シベリウスアカデミー民俗音楽学部の学生たちによるバンドSibelius Folk Big Bandの動画を見ては、耳に残るメロディをつい鼻歌で口ずさんでいた曲です。
オリジナルのメロディを少し工夫し、5弦カンテレで弾けるようにしてみました。
曲について調べてみたところ、フィンランドの伝統的な旋律にアメリカへ移住した社会主義者サンテリ・マケラ (Santeri Mäkelä; 1870-1938)が詞をつけ、労働歌として北米で歌い継がれてきた曲のようです。メロディを伝えたのはリチャード・コスキ(Richard Koski)、父親から教わった旋律を弾いていました。
この曲は1909年にミシガン州で出版された歌集「Työväen laulukirja(労働者たちの歌)」に収められた後、広く知られるようになりました。歌詞では、多くのフィンランド移民が鉱山で直面した時に命を落とすような過酷な労働条件、自由への情熱、抗う魂の叫びを歌いあげています。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて多くのフィンランド人がアメリカに移住し、鉄や銅を採掘する鉱山で働きました。雇い主である資本家による労働者階級への暴力的な態度はやがて大規模なストライキへと発展、1913年~1914年にかけてミシガン銅鉱山で行われたストライキでは、参加したフィンランド人労働者たちによって『Kaivantomiehen laulu』が歌われ、資本主義イデオロギーの構造的暴力に対抗する象徴的な存在となったようです。ストライキ100周年事業では、この歌がフィンランドとアメリカの両国で歌われました。
爽やかで明るい印象の旋律が、かえって曲がたどってきた歴史の重さを浮き彫りにするかのようです。
どうぞ希望をこめて、お弾き下さい。