カンテレは、フィンランドとロシアにまたがるカレリア地方の伝統楽器でもあります。
そのためロシア連邦内カレリア共和国においても民族楽器として弾き継がれ、独自の発展を遂げてきました。
とはいえ5弦カンテレに関しては、フィンランドの物と形状も奏法も変わりありません。
2019年からは国家プロジェクトを立ち上げ、フィンランドの研究機関と共にカンテレ文化を広く伝えるために協力体制を築いていましたが、新型コロナウイルスの流行により一時中断、その後ウクライナ侵攻のためフィンランドとのプロジェクトは解散を余儀なくされました。
プロジェクトリーダーを務めていたオルガ・ヴラソヴァは、他国との文化活動を理由に勤めていた国立芸術団体の職も解かれ、難しい立場ながらも活動を継続し、国内のカンテレ奏者、教師と協力してカンテレのための教本・楽譜集の出版、希望者への無料配布などを推し進めています。
さて、この度特別に2023年4月に出版された5弦カンテレ教本を、日本カンテレ友の会の会員にWEB上で公開することにご賛同頂きました。
Золотое кантеле – Сборник традиционных наигрышей и пьес для пятиструнного кантеле
Kuldaine kandeleh – Sävelmät viizikielizeh kandeleheh niškoi
GOLDEN KANTELE – 5弦カンテレのための伝承・作曲作品集
編集:タチアナ・トゥルノヴァ(Татьяна Олеговна Трунова)
オルガ・ヴラソヴァ(Ольга Борисовна Власо ва)
印刷地:Petrozavodsk
出版社:VERSO
出版年:2023年
テキスト:ロシア語
タイトル・楽曲名:ロシア語・カレリア語(一部フィンランド語)併記