Heilani sydän teräksestä – 11-kielisen kanteleen opas
In Visible Vibration – A Guidebook for the 11-String Kantele
/ In Visible Vibration- 11弦カンテレ演奏ガイド
著:アルヤ・カスティネン, ピルヨ・ピリネン
印刷地:Somero
出版社:Temps Oy
出版年:2007年(フィンランド語版), 2011年(英語版)
対象:11型カンテレ初学者~
『Juhlivat hiiret(ねずみたちのお祝い)』に続き、小型カンテレの即興演奏、古い時代の即興バリエーション研究と幅広く活躍するアルヤ・カスティネン(Arja Kastinen)と、特別支援保育園の教員であるピルヨ・ピリネン(Pirjo Pirinen)がタッグを組んだカンテレ教本。こちらも初学者が視覚的に楽譜とらえ理解できるよう工夫がされています。11弦カンテレ向けの教本ですが、10~19弦カンテレで応用可能なため、これらのカンテレを弾かれる方にはおススメの一冊です。
チューニングや様々な演奏テクニック、即興演奏の基本を解説した後、楽譜集が続きます。フィンランドやヨーロッパの伝統曲、カンテレ用に作られた楽曲などが並び、幼児教育者向けに子どもと一緒に音楽をつくるためのレパートリーも含まれます。
多くの楽譜で、一つのメロディ譜だけでなく、バリエーションや即興演奏例が示し、自らが音楽を生み出し展開させるヒントを紹介していることも特筆すべき点の一つ。奏者の創造性を養ってくれます。
フィンランドの伝統詩歌ルノラウル(runolaulu)の詩形を用いて作曲された歌曲をレキラウル(rekilaulu;韻歌)と呼び、多くのフィンランド民謡がこの形態をとっています。教本の最後には、レキラウル(韻歌)の理解を含め、オリジナルの詩で民謡風に歌うための解説も掲載されています。
なお、レキラウル(韻歌)については「フィンランドの民俗音楽 概要 #1」でも少しだけ触れています。
フィンランド語版の書籍版は売切となってしまいましたが、PDF版はTemps Oyより購入することが可能です。
英語版は書籍版、PDF版ともにTemps Oyより購入可能です。