Marjatta ja Martti Pokela “Setä Hermannin valssi”
マルヤッタ&マルッティ・ポケラ『ヘルマンニおじさんのワルツ』
近代カンテレの父マルッティ・ポケラ(Martti Pokela:1924-2007)と奥さまのマルヤッタ・ポケラ(Marjatta Pokela;1925-2002)は、1940年代後半からフォーク音楽のリバイバル運動を兼ねたデュオ活動をはじめ、当時の民俗音楽家が民族衣装に身を包んで演奏するのに対し、日常的な装いで気軽に楽しんでもらえるような音楽発信を行うことで、1950~60年代には若者たちを中心に多くの人々を魅了していきました。
彼らのレパートリーの中で、もっともヒットした曲の一つがこの『Setä Hermannin valssi(ヘルマンニおじさんのワルツ)』です。
お二人が実際に歌い、弾く動画はとても貴重。目くばせしながら仲睦まじく歌う様子が微笑ましいですね。
この曲は、ポケラの親族でもありカンテレ・ペリマンニであった”ハトゥカンガスのアンニ”こと、アンニ・カーリアイネン(Anni Kääriäinen)が、アコーディオン奏者であった”ヘルマンニおじさん”ことヘルマンニ・マエンパー(Hermanni Mäenpää)から弾き学び、それをマルッティ・ポケラが受け継ぎました。
もともと歌詞のないこの伝承曲は『Hermanni ja Miina(ヘルマンニとミーナ)』というタイトルで、今でもさまざまなペリマンニ音楽家たちのレパートリーとして演奏されています。
アンニから聞いた”ヘルマンニおじさん”と家族の思い出話をもとに、1960年代初頭、マルヤッタが歌詞をつけマルッティのギターやカンテレ伴奏とあわせて歌うと、たちまち人気を博しました。
Samassa talossa Hermanni ja Miina yhtaikaa olit he palkollisina,
siitä se alkoi tää herttainen juttu,
jos ei lie vanhastaan tuttu, niin...
ヘルマンニとミーナは、同じ家で同じ時期に奉公人として働いていました,
それがこの甘い物語のはじまり,
昔のことをご存知でない方もいるでしょう…
著作権の関係ですべての歌詞を掲載することはできませんが、こんな歌い出しから始まるヘルマンニおじさん夫婦の優しい人生の物語、マルヤッタの愛情あふれる詩は、聴き手たちの心も暖めてくれたことでしょう。
伝承曲としての『Hermanni ja Miina(ヘルマンニとミーナ)』は、楽譜ライブラリ―でもご紹介しています。
ぜひ自分なりの伴奏をつけてお楽しみ下さい。
※各曲タイトル訳は、日本カンテレ友の会による仮訳