Hiidenkirnu: Sävellyksiä ja sovituksia koneistokanteleelle
ポットホール:メカニックカンテレのための作曲・編曲集
作曲・監修:マルッティ・ポケラ
記譜:ハンヌ・スルヤラハティ
印刷地:Helsinki
出版社:Fazer
出版年:1986年
対象:コンサートカンテレ
近代カンテレの父マルッティ・ポケラ(Martti Pokela:1924-2007)は、さまざまな種類のカンテレを演奏し、そのレパートリー拡充にも意欲的に取り組みました。大型カンテレでは特にコンサートカンテレ向けの作曲作品の発展に大きく貢献し、早くは1950年代から作品を残しています。
『Hiidenkirnu: Sävellyksiä ja sovituksia koneistokanteleelle(ポットホール:メカニックカンテレのための作曲・編曲集)』は、マルッティ・ポケラによるレパートリー集の1冊目です。
リズミカルな伝統曲を更にいきいきと装飾した編曲や、ポケラならではの印象的なチューニングを用いたオリジナル作品、ラップランドをテーマとした作曲作品群をまとめた『Seitakivi: Lapinaiheisia sävellyksiä ja sovituksia koneistokanteleelle(セイタ・ストーン:ラップランドをテーマとした作曲・編曲集)』につながる作品などが含まれています。収録されている楽曲は次の通り:
- Talapakan Nikolai / タラパッカのニコライ
- Ykköskiperä / ファースト・キペラ
- Hiidenkirnu / ポットホール
- Kakkoskiperä / セカンド・キペラ
- Hiivatin polkka / クレイジー・ポルカ
- Paimenen masurkka / 羊飼いのマズルカ
- Joutsenen tanssi / 白鳥のダンス
- Muut ne kuuli kirkonkellon/ 彼らが聞いた教会の鐘
- Keinu / スイング
- Reki on mutt’ ei hevosta / 馬のいない橇
- Kaipaus / 憧れ
- Kalevalainen sävelmä / カレワラの調べ
- Konevitsan kirkonkellot / コネヴィッツァ教会の鐘
序文にはポケラ自身の言葉がこう記されています。
カンテレは私たちに最もなじみ深い民族楽器の一つですが、カンテレに適したレパートリーは伝統音楽のみに限定されません。このコレクションの目的は、コンサート楽器としてカンテレ使用可能性を拡大し、多様化することです…
マルッティ・ポケラは、作曲作品を自ら楽譜化することはありませんでした。
本作でも楽譜化したのは、カンテレ奏者でありポケラの長年の友人でもあるハンヌ・スルヤラハティ(Hannu Syrjälahti)です。
いずれも数分程度の小品で、カンテレで弾きやすい和音構成のため覚えやすく、初心者でもチャレンジしやすい楽曲がそろっています。ポケラらしい華やかな装飾音が見事で、コンサートのレパートリーとしても最適です。
残念ながら絶版のため指導を受ける先生から受け取り、楽譜には起こせないポケラ独特のリズムや奏法など、適宜レッスンを通して学びながら励んで下さい。
※楽曲・楽譜集のタイトル和訳は、日本カンテレ友の会による仮訳