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[カンテレ人] マルッティ・ポケラ(Martti Pokela:1924-2007)

2024 12/04
カンテレ人
MarttiPokela
2024-01-31

マルッティ・ポケラは民俗音楽文化豊かなハーパヴェシで生まれ、その地でカンテレ演奏を学びました。ミックス奏法での演奏で知られるアンッティ・ラントネン(Antti Rantonen:1877-1961)から5弦カンテレ音楽を吸収し、大型カンテレは叔母であるアンニ・カーリアイネン(Anni Kääriäinen)から特に影響を受けました。父トイヴォ・ポケラ(Toivo Pokela:1895-1947)のいとこにあたる彼女は短い弦を手前に演奏するハーパヴェシ・スタイルの奏者でした。幼い頃からヴァイオリンを独学で弾き、国民学校時代には数学の先生から楽譜の読み方やヴァイオリンのレッスンを受けます。

1940年代に学業のためにヘルシンキに移ると、彼は人生のほとんどをヘルシンキで過ごします。学生時代、マルッティは学生バンドやオーケストラ、合唱団など幅広い分野で音楽活動を行い、当時はヴァイオリン奏者を目指していました。ギターの手ほどきをきっかけに出会った妻マルヤッタ・ニクラ(Marjatta Nikula:1925-2002)とのフォークソング・デュオ”マルヤッタ&マルッティ・ポケラ”は圧倒的な人気を博し、1949年からはラジオ出演を通し全国にその名と音楽が知られていきます。民謡を中心としたレパートリーを、当時はギター伴奏で歌っていましたが徐々にカンテレも使い始めます。1952年にはラジオの一般投票により、もっとも人気のある出演者として賞を贈られ、映画『Salakuljettajan laulu(密航者の歌)』に出演しています。1954年からはヨーロッパ各地でのツアーも行われました。

いっぽう学業分野では1955年に植物育種に関する論文を書き上げ、実験を繰り返しながらフィンランドの土地に適した野菜の品種改良を行いました。卒業後は義理の父のビジネスを手伝い、輸入代理店で働きます。

演奏活動や店舗経営と並行して、マルッティが情熱を注いだのが民俗音楽、特にカンテレの地位向上です。1950年代当時、出身地であるハーパヴェシ周辺の一部の地域では大型カンテレがある程度演奏されていました。また1920年代にパウル・サルミネン(Paul Salminen:1887-1949)が開発したコンサートカンテレも、ウッラ・カタヤヴオリ(Ulla Katajavuori:1909-2001)によるラジオ演奏で知られていました。いっぽうで、5弦カンテレは忘れ去られた”歴史的遺産”になっていました。マルッティはアンッティおじさんからの教えや、民俗音楽学者A.O.ヴァイサネン(Armas Otto Väisänen:1890-1969)が録音したカレリアのカンテレ演奏を手本に自らが演奏をはじめます。限られた弦数での演奏を理由に、当時は古い旋律のメロディやリズムを奏でるのみであった5弦カンテレのために多くの作・編曲を行い、その可能性を周囲に示します。伝承曲の編曲にはポケラのオリジナリティあふれる要素が多分に含まれており、今では”伝承曲を基にした作曲作品”と呼ばれることの方が多いほどです。こうした活動にヴァイサネンやエルッキ・アラ=コンニ(Erkki Ala-Könni:1911-1996)等も支援の手を差し伸べました。

民俗音楽とカンテレを精力的に提唱し、1970年代にカンテレが学校楽器となった際にも重要な役割を果たしました。1976年からはシベリウス音楽院で民俗音楽教育の講義を行うようになります。後に1983年に民俗音楽学部が、1988年にはクラシック音楽を中心とするカンテレ・ソリスト科の設立にも尽力し、リトヴァ・コイスティネン(Ritva Koistinen:1956-)が最初の指導者として迎えられました。

5弦カンテレと同様に、コンサートカンテレ向けの作曲作品の発展にも大きく貢献し、早くは1950年代から作品を残しています。西洋音楽の概念からはみ出した曲は、ときに楽譜に書くことが不可能なリズム、奏法もあります。楽器を遊びつくし、さまざまな音色を模索することに長けていた彼は、小型・大型問わずカンテレの演奏テクニックを多様化しました。晩年にはリズムを中心とした先進的な楽曲も残しています。こうした過程で、こんにちの現代作曲家がカンテレ作品を作る際に用いる基礎テクニックも形成されていきました。

彼は作品を「生きた音楽」として扱うため、自ら楽譜に起こすことをしませんでした。彼にとって音楽は弾く場所、奏者、奏者の感情、聴き手や環境によって毎回異なるものであり、常に変容するものという当然の考えがありました。楽譜にすることで音楽が固定化することを避けようとしたのです。それでも多くの曲が、他の奏者や教え子の手で楽譜化されました。

ポケラの作品では奏者に自由なパフォーマンスが認められていますが、そのパフォーマンスは作品の可能性の一部でしかありません。奏者は唯一無二の演奏を心がける必要があり、そのとき作品はポケラによる「他者創作物」から、自らが新たな可能性を引き出した「自己創作物」へと変容するのです。

フィンランドの民俗音楽教育及び新しいカンテレ音楽創作における先駆者であったマルッティ・ポケラの音楽活動とカンテレ啓蒙活動は多くの世代に影響を与え、その片鱗に触れた音楽家・作曲家たちが現在、フィンランド民俗音楽シーンを牽引しています。

賞歴

  • 1952年 公共放送YLEラジオ ”お気に入りのパフォーマー”賞(マルヤッタ&マルッティ・ポケラ)
  • 1978年 OIRT (国際ラジオ・テレビ機構) Prix Bratislava賞2位(民俗音楽グループ”Onko niin”)
  • 1979年 OIRT (国際ラジオ・テレビ機構) Prix Bratislava賞2位(民俗音楽グループ”Melkutus”)
  • 1998年 OIRT (国際ラジオ・テレビ機構) Prix Bratislava賞銀賞(作品『Piru kellotapulissa』)
    ※Eeva-Leena Sariolaとの共作
  • 1998年 ウーシマー郡 芸術賞
  • 2001年 国家作曲賞(現:国家音楽賞)
  • 2007年 EBU(欧州テレビ・ラジオ機構) Svetozár Stračina Grand Prix(作品『Poron suikaus』)
    ※Aili Ikonen, Senni Eskelinen, Anna Kattainenとの共作

カンテレ作品

ポケラによるカンテレ作品は、多岐にわたります。
楽譜化されていない楽曲も多く、また編曲との境界が曖昧な曲があることもあり、ポケラの正確な作品リストはありません。ここでは楽譜があるカンテレ楽曲を中心に、把握できる範囲でまとめていきます(順次精査中)。

小型カンテレ向け楽曲

  • *Lampaan ravia / ヒツジの小走
  • *Tikan tanssi / キツツキのダンス
  • *Tiaisen tanssi / シジュウカラのダンス
  • *Saunan lämmitystä / サウナの暖め
  • *Itkevä tyttö / 嘆きの少女
  • *Tullan luppo / トゥッラン・ルッポ(オストロボスニアの子守歌)
  • *Kellopolkka / 鐘のポルカ
  • *Kirkonkellojen soittoa / 教会の鐘の音
  • *Linnun tanssi / 鳥のダンス
  • *Sotaherra / 将校
  • Etusormi-Etu / 人差し指のエトゥ
  • *Vilhelmiinan karjankutsu / ヴィルヘルミーナの牛呼び
  • *Helmivalssi / パールワルツ
  • Polun varrella / 小道に沿って
  • Soitimella / 鳴り物で
  • Virsi 1986 / 讃美歌1986 [1986]

コンサートカンテレ向け楽曲

  • Yrttejä / ハーブ [1959]
  • *Talapakan Nikolai / タラパッカのニコライ
  • Ykköskiperä / ファースト・キペラ
  • Hiidenkirnu / ポットホール
  • Kakkoskiperä / セカンド・キペラ [1978頃]
  • *Hiivatin polkka / クレイジー・ポルッカ
  • *Paimenen masurkka / 羊飼いのマズルカ
  • *Joutsenen tanssi / 白鳥のダンス [1965頃]
  • *Muut ne kuuli kirkonkellon / 彼らが聞いた教会の鐘
  • Keinu / スイング
  • *Reki on mutt’ ei hevosta / 馬のいない橇
  • Kaipaus / 憧れ
  • *Kalevalainen sävelmä / カレワラの調べ
  • *Konevitsan kirkonkellot / コネヴィッツァの教会の鐘
  • *Seitakivi / セイタ・ストーン [1969頃]
  • Riekko hangella / 深雪のライチョウ
  • *Inkuna-poika / 少年インクナ
  • Pollati poro lullati / ポッラティ・ポロ・ルッラティ
  • Unna Ulla nunnu / ウンナ・ウッラ・ヌンヌ
  • Miessi maanon / 5月
  • Mun rähkistam / 愛しい人
  • Peijaiset / 謝肉祭 [1969頃]
  • *Ellun Inga / エッルのインガ
  • Golggo maanon / 11月
  • Hansin koira / ハンスの犬
  • Vanha pelimanni / 老ペリマンニ [1978頃]
  • Rauta ja rasia / 鉄と小箱 [1986]
  • Piru kellotapulissa / 鐘楼の悪魔 [1988]
  • Coos [1989] (コンサートカンテレ, 室内楽オーケストラ)
  • Pour Elam / トナカイに捧ぐ [1992]
  • Elegia / エレジー [1992]
  • Quo? / どこへ? [1990](コンサートカンテレ2台)
  • Tripus / トリプル [1990](5弦, ピッコロ5弦, コンサートカンテレ2台)
  • Aquas / アクア [1990]
  • Sonata nro 1 / ソナタ No.1 [1991](コンサートカンテレ2台, ホームカンテレ)
  • Kuutelokiviä / 水晶石 [1992] (9弦3台,コンサートカンテレ2台)
  • Velocimente / 自転車で [1992]
  • Suo / 湿原 [1992–93] (コンサートカンテレ2台, のこぎり, 管楽器)
  • Mosso tinto / 鮮やかな染め色に [1992–93](コンサートカンテレ2台)
  • Sonata / ソナタ [1993]
  • Agrostis / ベントグラス(カンテレと他楽器)
  • Soitimella / 求愛 (カンテレと他楽器)

舞台作品

  • baletti Vindarnas kulle / 風の丘 [1968] 共作:Bengt Enryd
  • baletti Sauna / サウナ [1968] 共作:Reijo Jyrkiäinen

映画音楽

  • Antti Puuhaara / 枝の子アンッティ (1977) Kari Rydmanin kanssa

※ *:伝承曲を基にしている作品
※年代は判明している場合のみ記載
※楽曲タイトル和訳は、日本カンテレ友の会による仮訳

ディスコグラフィー

  • 不明 Kannel soi, Pokela, DN 3063, Single
  • 1965 Kantele of Finland, Pokela, SLP531
  • 1969 Keskiyön auringon lauluja, Pokela, SFLP 8500
  • 不明 Kantele, Pokela–Katajavuori, SÄLP 623
  • 1978 Vanha ja uusi kantele, Pokela–Sariola–Kontio, SFLP 8578
  • 1983 Kanteleet, Pokela–Sariola–Kontio, LJLP 1027, LJCD 1027
  • 1983 Kansanmusiikkia Sibelius-Akatemiasta. Yhtyeitä ja solisteja. SALP 3
  • 1983 Joensuun laulujuhlat 1983, Pokela, JOELP 83
  • 1986 Soitimella, KILP 11.
  • 1987 Koivun kaiku, Keepers,PBM 101
  • 1989 Niekku 2, KILP 18
  • 1990 Kannel, Syrjälahti, BBCD 5008
  • 1990 Yleisradion kansanmusiikkia 1, Pokela, Yleisradion sisäinen laserlevy.
  • 1990 Kantele(Finnish Kantele Music Vol.1), Pokela–Sariola–Kontio, FACD 018
  • 1991 Vanha ja uusi kantele, Pokela-Sariola-Kontio, EUCD 1040, LC 5111
  • 1992 Aquas, Pirnales, KICD 27
  • 1993 Finnish Kantele Music Vol.2, Pokela–Katajavuori, FACD 500392
  • 1993 Kuulas hetki, Sibelius-Akatemian kansanmusiikin osaston yhtyeitä ja solisteja, OMCD 46
  • 1996 Sonata for Kantele: New Compositions by Martti Pokela, À tre-Pokela-Pirnales-Mukaralla, Finlandia, 4509-98357-2.
  • 1997 Snow Kantele: Sámi Suite by Martti Pokela, Pokela-Väänänen-Kauranen, Finlandia,0630-19052-2
  • 2001 Tuulikumpu: Martti Pokelan Historiallisia Äänityksiä I, Pokela, Kansanmusiikki-instituutti, KICD71
  • 2005 Improsette By Martti Pokela, Pokela, IMU-Inkoon Musiikki, IMU-CD 053

出版楽譜

  • Pienoiskanteleen opas(小型カンテレガイド)
    ALA-KÖNNI, Erkki — POKELA, Martti: Pienoiskanteleen opas. Helsinki, Fazer, 1971
  • Hiidenkirnu(ポットホール)
    POKELA, Martti: Hiidenkirnu: Sävellyksiä ja sovituksia koneistokanteleelle. Nuotintanut Hannu Syrjälahti. Helsinki, Fazer, 1986
  • Seitakivi(セイタ・ストーン)
    POKELA, Martti: Seitakivi: Lapinaiheisia sävellyksiä ja sovituksia koneistokanteleelle. Nuotintanut Hannu Syrjälahti. Helsinki, Fazer, 1986
  • VIISIKIELISEN KANTELEEN OHJELMISTOA 3(5弦カンテレ曲集)
    JÄRVINEN, Sinikka: Viisikielisen kanteleen opas III. Kaustinen, Kansanmusiikki-instituutti, 1989
  • VÄINÄMÖISEN NUORIMMAISET(ヴァイナモイネンの最後の継承者たち)
    LINNARANTA, Outi: VÄINÄMÖISEN NUORIMMAISET. Sibelius-Akatemian kansanmusiikin osaston julkaisuja 8, 2002
  • Yhteiset sävelet(共有される調べ)
    VÄÄNÄNEN, Timo: Yhteiset sävelet: Martti Pokelan sävellyksiä konserttikanteleelle. Helsinki, Sibelius-Akatemian kansanmusiikin osasto, 2004
  • Золотое кантеле (GOLDEN KANTELE)
    Трунова, Т-Власо ва, О: Золотое кантеле – Сборник традиционных наигрышей и пьес для пятиструнного кантеле, VERSO, Petrozavodsk, 2023

※各曲・CD・楽譜集のタイトル和訳は、日本カンテレ友の会による仮訳

ポケラに関するkantele-jp.net記事

  • イベントレポート

    【イベントレポート】2024/10/23 オンライン カンテレ・セミナー「マルッティ・ポケラとカンテレ」

    2024-12-12
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    YLEラジオ オンライン配信:Pikku Eveliina jodlaa ja laulaa

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    YLEラジオ オンライン配信:Marjatta ja Martti Pokelan äänityksiä 1951–1962

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  • カンテレ音源

    YLEラジオ オンライン配信:Martti Pokela soittaa 5-kielisellä kanteleella 1954 & 1956

    2024-04-01
  • 教本・楽譜集

    楽譜集『Seitakivi( セイタ・ストーン)』

    2024-02-28
  • 教本・楽譜集

    楽譜集『Hiidenkirnu( ポットホール)』

    2024-02-28

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参考文献

  • LAITINEN, Heikki: Martti Pokela (1924–2007). Kantele 4/2007, Suomen Kanteleliitto, 2007 [WEB]
  • JALKANEN, Pekka: Pokela, Martti. Kansallisbiografia-verkkojulkaisu. Studia Biographica 4. Helsinki: Suomalaisen Kirjallisuuden Seura, 1997– [WEB]
  • LÅNG, M – VÄÄNÄNEN, T: Martti Pokelan konserttikantelesävellyksistä. Musiikkitiede 5/1993 [WEB]
  • SAHA, Hannu: Luovuutta mukaan eli Martti Pokela ja kansanmusiikki, Kansanmusiikki 1/1982
  • JALKANEN, Pekka – LAITINEN, Heikki – TENHUNEN, Anna-Liisa: KANTELE, SKS, Hämeenlinna, 2010
  • LINNARANTA, Outi: VÄINÄMÖISEN NUORIMMAISET. Sibelius-Akatemian kansanmusiikin osaston julkaisuja 8, 2002
  • WIKIPEDIA: Martti Pokela [WEB]
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